ちょこちょこ観ていたZを走り抜けました。
以下感想。
ガンダムZ、50話かけてカミーユを丁寧に追い込んだ話だったな…。
カミーユ君、元々孤独な過去や激情型(繊細さともいうのか)なのもあって初手はすぐに発火する狂犬だな〜という目線で見ていたのだけど、中盤〜後半にかけて戦いが苦しくなっていくにつれて嫌な意味で大人になって丸くなる感じがしんどかった…。
初期はあれだけ反抗して大人から鉄拳制裁喰らっていたのに、次第にカツやファーを諌める係にスライドしていって、それをブライトさんやエマさんといった大人達が容認する…まあ軍隊だし現場に余裕はないし色々仕方ないとはいえ、カミーユに戦いを含め諸々背負わせる部分がすごく多かったなという印象。
カミーユ自体も捻くれているとはいえ根は優しい良い子だし、頭も良いから物分かりもある…ってところがよりストレスを蓄積する要因でもあっただろうな…初期はまだ子供のままだからさ、ありのままに嫌味言ったり殴りかかったりで少しはできていただろうガス抜きも、後半につれて選択できなくなる。
というか、カミーユ君それなりの暴力は容認するけど『殺し』だけは断じて認めなかったし、「どうして人を殺すんだよ!!死んじゃえよ!!」「お前は殺すべき人間だ!!」みたいな相手を否定したり支離滅裂な発言も、彼なりに『殺し』の行為を正当化するために自分に言い聞かせてるみたいな必死さがあって終始辛かった…。
ベッド脇に仏壇あるしよ〜〜〜!!毎度弔ってたの???って考えると胸が痛い。びっくりした。そんでもって最高のNTだから『死』は勿論いろんな人の感情に過敏だし、後半なんてもう内心ボロボロだったんだろうな。そういう機微をいち早く艦内の子どもたちが察していたのにすごく驚いた。いつもファーの心配しがちな子たちが揃ってカミーユを気にかけている。その後に起きるエマさんの目の前でヘルメットガード解除しちゃう奇行。とんでもない。
最後にシロッコが「お前の心ももっていく」発言していたけど、これよりとっくの前にカミーユの精神は限界で、そこにZの機体&己の体通して死人の意思に接続しちゃったものだから…シロッコがカミーユの心を壊したというより、最後のダムを決壊させる一押しが彼だっただけなのだろうなって思った。
個人的にガンダム主人公は体感ろくな目に合ってないから、カミーユはラストは鬱になってしまうのか…?とか想像していましたが、より強力な結末で悲鳴をあげました…精神崩壊…;;;辛いよぉ;;;
『殺し』についてずっと否定的で優しかったカミーユ、最高のNTである彼が「NTにできるのは人殺しだけみたいだな」と自嘲する結果になってしまったのがすごく悲しかった。心が壊れてしまったのも、自己肯定できなかったカミーユ自身がもういいやって己を手放してしまったのかな。
初めてみたカミーユの屈託のない笑顔や嬉しそうな声音が、虚しさと儚さと破壊力とで色々胸がいっぱいになりました。心壊してからそんな顔見せるなや…馬鹿…。
そんでもって精神崩壊したカミーユを迎えてアーガマに通信を送ることしかできないファーにも涙が出てきた。たくさんの犠牲を払いつつ「お前もアーガマに帰りたいのね」ってMK IIを見つめるシーンも味わいがあってさ…良きでした。(辛い)
ただ視聴者として、あれだけ頑張ってきたカミーユが大切な人の死体積み上げて最後は己も無くしてしまう結末を悲劇的に感じてしまうけど、本人的にはもうこれでMSに乗って戦場に出ることはないし、人を殺すこともできない状況だから、ある意味幸せな結末になったのかな?…とも思ってしまう。
一旦ざっとした感想だけど、その後の富野さんのインタビューや考察なんかでまたこの物語の見方は変わってくるかな?色々記事を漁っていきたい。今日はカミーユのことしか考えられませ〜ん!!涙